女神さまからのおくりもの


 女神さまからのおくりもの36


「あるよ。一度だけ」
「どこでみたの」
「何年か前、庄屋さまのおともで、
夕方霧ケ峰高原を通ったことがある。
その時、どこからかいい香りがし
てきた。



なんの香りだろうと近づいてみる
と、レモン色の花が咲いていた。
それが、ゆうすげの花だった。
おれ、もう一度、ゆうすげの花が
みたいな」
清太は、ゆうすげの花を思い出し
ながらいいました。



「清太さん。私も、ゆうすげの花
がみたい」
「きよちゃん。ゆうすげの花は、夕
方でないと咲かないのだよ。
それに、夕方二人だけで遠出する
ことは、庄屋さまが許してくれな
いだろうしね」


             つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101104#p1



    初めて読んでくださったかたへ


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