女神さまからのおくりもの


 女神さまからのおくりもの85


「白駒がいません」
「なに? 白駒がいないと。
いつからいないのじゃ」
「わかりません。今、馬小屋へ行
ったらいませんでした」



「白駒は、わしが大切にしている
馬じゃ。
みんなで手分けして、白駒をさが
してほしい」
吉衛門は、やしきで働いている人
たちに、お願いしました。



きよは部屋にとじこもったまま出
てこないし、清太はゆくえがわか
らない。
その上、白駒までいなくなってし
まうなんて。
どうしてこんなことになってしま
ったのだろう。



清太を追い出したから、ばちがあ
たったのだろうか。
吉衛門は、自分が大切にしていた
ものを、すべてなくしてしまった
ような気がしがっかりしました。
「白駒。おまえだけでも、早くも
どってきておくれ」
吉衛門は、心の中で祈りました。


              つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101223#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101001#p2