ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 12


次の日。
姫は桜の木の下へ行き、桜の鈴を
七回ふってみました。
「リーン・リーン・リーン…」
すんだ音色が、あたりにひびきわ
たります。



「昨日、桜の花が話していたこと
は、本当かしら?」
姫は、桜の花に話しかけました。


            
「こんにちは」
「……」
「私、小桜よ」
「……」
聞こえなかったのかしらと思い、姫
はもう一度鈴をふり、ゆっくり話し
かけました。


      つづく