竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 8


すると、姫が。
「私は、じいのいうことを、ことわ
ることができなかったので、くら
もちの皇子には、蓬莱の玉の枝
を・・・と、いいました。蓬莱の玉
の枝など、たやすく持ってくるこ
とはできないだろうと思ったのに、
簡単に玉の枝を持ってきました。
ほんとうにくやしい」と。



おじいさんは、すっかりその気にな
り、姫の寝室の中をかたつけました。
皇子は、「苦労して玉の枝を探した
ことを、今さらいろいろいってもしか
たがないが」といいながら、縁側に
あがり座りました。


       つづく