竹取物語


阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 9


「この皮衣を火にくべて、それでも
焼けなけなかったら、本物でしょう。
もし皮衣が焼けなかったなら、あの
かたと結婚します。じいは、この世
にひとつしかない物だから、本物だ
と思えというけれど、私は本物かど
うか皮衣を焼いて確かめたいのです」
姫が、いいました。



おじいさんは、安倍に「娘がこのよ
うにいっております」と伝えました。
すると、安倍が、
「この皮衣は、唐にもなかった物を、
やっとの思いで手に入れた物。かぐ
や姫は、何を疑っているのでしょう」
と、いいました。


        つづく