竹取物語


阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 11


安倍は、何もいえず家へ帰りました。
人々は、「安倍の大臣が、火鼠の皮
衣を持って、かぐや姫の家に行った
というが、二人は結婚したのか。大
臣は、かぐや姫の家にいるのか」と
聞きました。



ある人は、「火鼠の皮衣を火にくべ
たら、めらめらと燃えてしまったと
のこと。だから、かぐや姫とは結婚
しなかったようですよ」といいました。



人々は、安倍の火鼠の皮衣の話を
聞いてから、「安倍」にちなんで、「あ
へなし」というようになりました。


      つづく