井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 17


「く、く、くっ」
にわとりが、苦しそうに鳴いてい
ます。
「こっこ、だいじょうぶ。私が守っ
てあげるからね」
姫は、にわとりをだきしめました。



「神様、どうか大島城をお守りく
ださい。一刻も早く、火が消えま
すように」
姫は、一心に祈りました。



どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
「るり姫。わしが、大島城を守って
やるぞ。安心しろー。わしは、大蛇
ケ淵の主じゃ」
どこからか、おごそかな声が聞こ
えてきました。


         つづく