竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 108


第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 11


帝は、奥へ逃げて行こうとするかぐ
や姫の袖をつかまえ、そばに座らせ
ました。
かぐや姫は、顔を袖で隠しています。


「許しはしないぞ」と帝がいうと、
かぐや姫が、「私は、この国で生ま
れたものではありません。だから、
私を連れて帰るのは難しいでしょう」
といいました。


「そんなはずはない。私は、どんな
手を使っても、連れていくつもりだ」
輿を邸につけている間に、かぐや姫
はすっと姿を消してしまいました。


     つづく