竹取物語 127
第九章 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 8
大空から、雲に乗り、おおぜいの人が降りて
きました。
そして、地面から五尺ほどあがった所に並び
ました。
その様子をみた外にいる人も、家の中にいる
人も、物の怪に襲われたような気持になって、
戦う気持がなくなってしまいました。
気持をふるいおこし、弓をひこうとするけれ
ど、手に力がはいりません。
気丈な者が弓を射ようとするが、矢がとんで
もない方向へとんでいってしまいます。
どの人もぼんやりして、お互いに顔をみあわ
せるばかりでした。
つづく