竹取物語

[童話]竹取物語


竹取物語 135


第九章 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 16


 今はとて天の羽衣着るをりぞ

 君をあはれと思ひいでける


かぐや姫は歌をつけ、帝への手紙に、壺に
入った不老の薬を添えました。
そして、帝に献上するようにと、頭中将を
呼び依頼しました。
中将が、壺を受け取ったので、天人がかぐ
や姫に天の羽衣を着せました。


すると、ふしぎなことに、悲しい気持やな
ごりおしい気持が、かぐや姫の心からすっ
と消えてしまいました。
姫は、月の車に乗り、百人ほどの天人と一
緒に、月の世界へ帰って行きました。
帝の兵士・二千人とおじいさん・おばあさん・
使用人たちが、かぐや姫を見送りました。


       つづく