守屋山に黄金色の花が咲いた

[童話]守屋山に黄金色の花が咲いた


守屋山に黄金色の花が咲いた 5


それから三年三カ月がすぎました。
山深い村にも、ようやく温かな春がやってきました。
少女は兄を喜ばそうと、守屋山へ黄金色の花を探
しに行こうと思いました。
幻の花といわれている黄金色の花さえ見つかれば、
兄がやさしい人になれるような気がしたのです。


少女は守屋山にむかって、足早に歩いて行きました。
守屋山についた少女は、山の中をあてもなく歩きま
わりました。
黄金色の花といっても、どんな形をしているのか、ど
のくらいの大きさなのか少女にはわかりません。
でも少女は黄金色の花をみつけようと必死でした。
春がきたといっても、山の春はおそく、木の芽がほん
の少しふくらんでいるだけでした。

  
        つづく





「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、みほようこ
の初めての童話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu1.html


童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在1430円です。