守屋山に黄金色の花が咲いた

[童話]守屋山に黄金色の花が咲いた


守屋山に黄金色の花が咲いた 4


そんな兄に少女はどう接したら良いのかわからず、
ただおろおろするばかりでした。
心のやさしい少女でしたが、そんなことがたび重
なると、兄をうとましく思うこともありました。
「私は兄ちゃんのことをこんなに思っているのに…。
なぜ兄ちゃんは…」
少女は心をとざしている兄をみることが苦痛でした。


そんな少女の様子を、明神さまははらはらしなが
ら、見守っていました。
「少女よ、これくらいの苦しみや悲しみに負けるな
よ。おまえのことはこのわしがしっかり守ってやるぞ」
明神さまは少女の顔をみるたびに、心の中でそう
つぶやくのでした。


  
        つづく





「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、みほようこ
の初めての童話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu1.html


童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在1430円です。