守屋山に黄金色の花が咲いた

[童話]守屋山に黄金色の花が咲いた


守屋山に黄金色の花が咲いた 8


するとまた声が聞こえました。
「少女よ、長い間、本当によくがんばったのー。目
の前の黄金色の花は、おまえが咲かせた花じゃ。
兄を思うやさしいしい気持が、この黄金色の花に
なったのじゃ。この花は何というか知っているか。
福寿草というのじゃ。おまえが兄にやさしいことば
をかけるたびに、一本ずつここに咲いたのじゃ。


この黄金色の花は、誰にでも見える訳ではないぞ。
心のやさしい人にしか見えないのじゃ。春になると、
おおぜいの人が黄金色の花をさがしにやってくる
が、誰の目にも見えないのじゃ。明日兄にも黄金色
の花をみせておやり。一本くらいは兄にも見えるだ
ろうから…。

  
        つづく





「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、みほようこ
の初めての童話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。


https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu1.html


童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在1430円です。