牛に乗ったお玉さま

[童話]牛に乗ったお玉さま


    牛に乗ったお玉さま  5


長者の家は、大さわぎになりました。
みんなで手わけをして探したけれど、お玉はどこにも
いません。
村人の話では、黒い牛が底なし池のほとりで、「もぉー
もぉー」と悲しそうにないていたとのこと。


翌朝。
底なし池のほとりで、はきものが二足、そろえておい
てあるのがみつかりました。
お玉の赤い緒のぞうりと、坊さんの白い緒の下駄で
した。
お玉も、いつしか坊さんのことが好きになっていたの
です。


               つづく