愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「おしっこがでちゃった・・・」 3


やさしそうなめがねをかけた人だった。
とてもやさしそうに見えたけれど、本当はきびしい人
だということを、ぼくは後で知った。


車にゆられてきたので、ぼくはおしっこがしたくてた
まらなかった。
「くぅーん、くぅーん」
「おしっこがでちゃうよぉー」
ぼくはひっしで知らせたが、奥さんには通じなかっ
たみたい。


ぼくはこらえきれなくなって、奥さんの手の中へ、お
しっこをしてしまった。
「ああ、はずかしい」
でも、しかたがない。こらえきれなかったのだから。


             つづく