[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」
「自分でおしっこをしてね」 4
「自分でしてねって、あーちゃんはいったのにー。じゃ
あ、ちゃんとトイレの場所を作ってくれ」
ぼくは「くぅーん」とないて、あーちゃんに抗議した。
その後、あーちゃんはおしっこのことはあきらめたのか、
何もいわなくなった。
やれやれ良かったと思う反面、複雑な気持だった。
「温かなカイロをありがとう」 1
あーちゃんの家にくる前、ぼくは少女の家のこたつの
中で暮していた。
だから、夜になると、外の犬小屋は寒かった。
ぼくは寒がりの犬だったのかもしれない。
あーちゃんは、ぼくが寒くないようにと、小屋のまわり
をダンボールやビニールで囲ってくれた。
そして、中にあたたかなざぶとんもしいてくれた。
つづく