愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「ぼくはボールが大好き」 6


「こんなボールを飲み込んだら、死んじゃうよ」
そう捨てぜりふを残して、あーちゃんは家の中へ入っ
ていった。
「なんだ。一度くれたものをとりあげるなんて、ひどい
じゃないか!!」
ぼくはふてくされて、小屋の中へ入った。


「りゅう、明日学校から古いボールをもらってきてあげ
るから、待っておいで」
こうちゃんが小屋をのぞきこみながら、そういった。
「こうちゃんも、あてにはならん」
ぼくはそう思った。
なんとしても、あのボールがほしい。


              つづく