[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」
「ぼくはぎっちょ」 2
ぼくは、どうやったら小屋の中へ入ることができるか、
いろいろ試してみた。
頭でビニールをおしてみたが、うまく中へ入れない。
おしりでビニールをおしてみたがだめ。
左手で「えいっ」と、ビニールをおしたら、簡単に小
屋の中へ入ることができた。
「なんだ、簡単じゃないか」
ぼくはうれしくなって、何度も小屋を出たり入ったり
した。
あーちゃんの弟子が飼っている犬は、飼い主がビ
ニールをはりつけてくれたのに、小屋の中へ入るこ
とができず、一晩中寒くてふるえていたという。
つづく