愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「ハプニング? あーちゃんの指をがぶり・・・」 8


でも・・・、指をはなしてあげたいのだが、口が動か
ないのだ。
「あーちゃん、ごめんね。ぼく指にかみつくつもりな
んかなかったのだよ」
ぼくは心の中で、何度もあーちゃんにあやまった。


すると・・・。
あーちゃんの目から、大粒の涙が・・・。
その涙をみたら、あら不思議・・・、硬直していた口
が動くようになった。
そして、やっとボールをはなすことができた。
「ああ、良かった・・・」
ぼくはほっとした。
そして、あーちゃんの手を「ごめんね」といいながら、
ぺろぺろとなめた。


             つづく