[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」
「ハプニング? あーちゃんの指をがぶり・・・」 9
「ああ、痛かった・・・。なんでかわいがってあげている
私の指にかみつくのよ」
そういいながら、あーちゃんはあわてて部屋へ入って
いった。
窓からのぞいたら、あーちゃんは「痛い、痛い」といい
ながら、指を消毒している。
「狂犬病にならないかしら? この間注射したばかりだ
から、大丈夫だよね」
あーちゃんがひとりごとをいっている。
「痛かっただろうが、大丈夫だよ。狂犬病になどならな
いよ」
ぼくは心の中でつぶやいた。
つづく