朝顔のエスカレーター

[童話]朝顔エスカレーター


朝顔エスカレーター 3


「とうちゃん、とうちゃん。目をあけて。ねえ、とうちゃ
ん、おきて・・・」
かなは、おとうさんの体にしがみつき、体をゆすりま
した。
さっきまで元気でいたおとうさんが、急になくなって
しまうなんて、信じられませんでした。


「かな、おとうさんのそばで、少しお休み」
かなは、おとうさんのそばで休みました。
かなは、おとうさんの手に、自分の手をそっと重ね
ました。
すると、おとうさんと過ごした六年間が、なつかしく
思い出されました。


             つづく