笛の音よ、永久にひびけ


昨日につづき、童話「笛の音よ、永久にひ
びけ」を紹介します。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、今年
http://www.choeisha.com/
から発行されるみほようこ童話集・「風の
神様からのおくりもの4」に、収録されま
す。



今、本を製作中。
挿絵ができあがり、挿絵の入った初校を、
推敲しています。
秋までには、本ができると思います。




    笛の音よ、永久にひびけ5


しかし、何本笛を作っても、なぜかもの悲
しい淋しい音しかでませんでした。
「楓の木では、良い音がでないのだろうか。
いや、そんなはずはない。心ならずも切り
たおされた楓のためにも、素晴らしい音色
のする笛を作りたい」
若者は、心に強く思いました。




若者と村の人たちは、何本も何本も、笛を
作り続けました。
しかし、澄んだ音色のする笛はできません
でした。
「楓の木では、駄目なのかもしれない。
あきらめるよりしかたがないのか」
若者は、弱気になりました。




「楓のためにも、私だけでもがんばってみ
よう」
若者は寝る間もおしみ、毎日笛を作り続け
ました。
「楓よ、もっと長生きしたかっただろうに、
人間の勝手で切りたおしてしまって、ごめ
んね」
若者は笛を作りながら、楓に心からわびま
した。




半年がすぎました。
ある日、やっと気にいった音色のする笛が
できました。
「やっと、清らかな音色のする笛ができた
ぞ!」
若者は、とびあがってよろこびました。



一ヶ月後。
若者は、楓の木が立っていた丘の上で、コ
ンサートを開きました。


      つづく


お話のつづきは、本ができたら、図書館など
で読んでくださいね。




  今までに発行された「みほようこの本」



     風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




     竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)




     ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)