童話「かきつばたになった少女」11
「それは、強い風が吹いてきて、水面が波立ったか
らだよ」
山彦がいいました。
でも、かきつばたは、山彦のことばを信じることが
できませんでした。
山彦がはっと気がついた時、かきつばたの姿は消え
ていました。
「かきつばたさんはどこへ行ってしまったのだろう?」
びっくりした山彦は、「かきつばたさーん、かきつば
たさーん」とさけびながら、広い高原をさがしまわり
ました。しかし、かきつばたはどこにもいませんでした。
一方、女神さまたちが住んでいる村では、夜になって
もかきつばたが帰ってこないので、大騒ぎになりました。
かきつばたのおとうさんもおかあさんも、かきつばたの
ことを心配して、あちらこちらさがしまわりました。
女神さまたちも、てわけしてかきつばたをさがしました。
しかし、かきつばたをみつけることはできませんでした。
かきつばたがいなくなったことを知ったおばさまは、か
きつばたのことを心配しました。
「私が山彦のことを話さなければ、かきつばたは霧が峰
へ行くこともなかっただろうに・・・」
おばさまは、山彦のことをかきつばたに話したことを、
心から後悔しました。
つづく
童話「かきつばたになった少女」は、今年の秋、
http://www.choeisha.com/から
発行される、みほようこの四冊目の童話集・「ライオン
めざめる」に収録されます。
童話集「ライオンめざめる」は、「風の神様からの
おくりもの」シリーズ4。
今、本を製作中。
九月までには、本ができる予定です。
「ライオンや 読んでもらえる 童話かな」
わが家のBlogPet「ryuu」の句
りゅうの句のように、おおぜいのこどもたちに読ん
でいただきたいと思います。
今までに発行された「みほようこ」の本