愛犬りゅう「ばいばい、またね」26
「りゅう。どこへ行くの!!ボールを拾ってきな
さい」
あーちゃんが大きな声でどなっている。
「りゅう。まちなさい。りゅう、まてー」
そういいながら、あーちゃんがすごいいきおいで
ぼくをおいかけてくる。
ぼくはあーちゃんにつかまらないように、ひっし
でにげた。
すると、畑で男の人が働いているのがみえた。
ぼくは、その人にちかずいて行った。
「しっ、しっ。ちかずかないで・・・。
私は犬が大きらいなんだ」
その男の人は、鍬でぼくを追い払った。
「ぼく、何もしないよ」
そうさけんだけれど、その男の人には通じなか
ったみたいだ。
そうこうしているうちに、とうとうあーちゃん
につかまってしまった。
「もうしわけありません。この犬、何かしまし
たか」
「いいえ。なにもしません。ただ、私犬がきら
いなものですから・・・」
男の人は、そういった。
「りゅう、なぜいうことがきけないの!!」
ぼくは、あーちゃんにきつくしかられた。
そして、あーちゃんは二度とつなをといてくれ
ることはなかった。
とほほ・・・。