女神さまとの約束


    女神さまとの約束7


「朝早く、誰だろう?」
ふくは、玄関へでてみました。
すると、白い馬が立っています。
馬は、口に手紙をくわえていました。
「誰からの手紙かしら」
ふくは、いそいで手紙を読みました。



「私は、八ヶ岳の女神です。ふぶきの夜、あなたの
家に泊めていただいた者です。あの夜のことを、お
ぼえていますか。あなたは、ほんとうに心のやさし
い娘ですね。あなたのことは、小さな時からよく知
っていますよ。私が、おとうさんを助けてあげまし
ょう。この白い馬に乗って、黄金色の花をさがしな
さい。黄金色の花は、八ヶ岳の山の中に咲いていま
す。


黄金色の花がみつかったら、おとうさんをその場所
へつれていき、養生させなさい。そうすれば、おと
うさんはじきに元気になれるでしょう。おとうさん
が元気になったら、黄金色の花が咲いている場所で、
おおぜいの病人をなおしてあげてほしいのです。
どんなことがあっても、けっして黄金色の花が咲い
ている場所をはなれてはいけません。黄金色の花が、
早くみつかるといいですね。八ヶ岳の女神より」
手紙には、そう書いてありました。



ふぶきの夜、ふくの家に泊まった女の人は、八ヶ岳
の女神さまだったのです。


つづく