ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」9
大江家の一人娘が、なぜ三浦家へとついだのかっ
て、不思議に思うでしょうね。
おとうさんは姫にこどもが生まれたら、一人大江
家のあととりにするつもりだったようです。しか
し、仲の良い夫婦でしたが、何年たっても、こど
もは授かりませんでした。
その頃、三浦一族は、小田原の北条氏と、土地を
めぐる争いをしていました。
「くだらない争いをやめ、みんな仲良くくらせば
良いのに」
争いごとが嫌いな姫は、みんなが平和に暮らせる
ことを願っていました。
ところが、ある日、姫がおそれていた大きな戦が
始まりました。それは三年にもわたる、長いきび
しい戦でした。
ひとつきに何度となくくりかえされる夜討ち、朝
がけ、やあわせ、きりあい。どっとおこるときの
声、空をこがすのろし・・・。
戦はすざましいものでした。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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