ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」


ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」6


「私たちも・・・一度・・・小桜姫さまと・・・
お話がしたいわね」
とぎれとぎれでしたが、桜の花がこんなおしゃべ
りをしていたのです。



次の日。
姫は桜の木の下へ行き、桜の鈴を七回ふってみま
した。
「リーン・リーン・リーン・・・」
澄んだ音色が、あたりにひびきわたります。
「昨日、桜の花が話していたことは、本当かしら?」
姫は桜の花に話しかけました。  


        
「こんにちは」
「・・・」
「私、小桜よ」
「・・・」
聞こえなかったのかしらと思い、姫はもう一度鈴
をふり、ゆっくり話しかけました。
でも、桜の花は何も答えません。
姫は何度も鈴をふり、桜の花に話しかけました。
「こんにちは。私、小桜よ」
「・・・?」


つづく


「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)