ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」12
「数百年後、山深い町にかなという名前の女の子が
生まれるので、二つの鈴を、その少女に渡していた
だきたい」
ぼだい寺の和尚に、姫はお願いしました。
大切な鈴を預け安心したのか、姫はしばらくして静
かになくなりました。
「心の優しいおくがたさまだったのに、なんでこん
なに早くなくなってしまったのだろう」
藩の人々は、なげき悲しみました。
「そういえば、おくがたさまはいつも花や小鳥と楽
しそうにお話をしておられたが、おくがたさまは花
や小鳥のことばがわかったのだろうか」
何も知らない藩の人々は、そういって不思議がりま
した。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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