ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」2
校長先生は、まわりにいる人々を元気にしてしま
う不思議な声を持っていたのです。
五月初めの日曜日。
かなは愛犬のりゅうと、丘の上の桜をみに行きま
した。
「ホーホケキョ、ホーホケキョ」
うぐいすの声が聞こえてきました。
「りゅう、うぐいすだよ。良い声だね」
かなはりゅうに話しかけました。
「どこで鳴いているのかしら」
かなはあたりをみまわしました。
すると、目の前の木に、うぐいすがとまっています。
「ホーホケキョ、ホーホケキョ」
かなが近づいても、うぐいすはにげません。
うぐいすはかなを案内するかのように、かなの前を
とんでいきます。
「不思議なうぐいすだな」
かなはそう思いました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。