風の神様からのおくりもの2
「あのおしとやかな小桜姫が、こんなにあわてて
いるようでは、よほど急をようするようじゃな」
神様はさっと身支度をすると、「ぴゅー」と風に
なり、伊那谷へむかってとんでいきました。
しばらくとんでいくと、下の方で「ぴかっぴかっ」
と、ほたるのように光っている家が一軒ありました。
「どうもあの家らしい」
神様は光っている家をめがけておりていきました。
「どうか赤ちゃんを…どうか赤ちゃんを助けてくだ
さい。お願いします」
「神様、どうか孫を助けてくださいませ」
「この子はおそらく助からないだろう。たとえ助か
ったとしても、普通の生活はできないだろう。かわ
いそうに…」
「小桜姫さま、小桜姫さま。どうか私を…どうか私
を助けて…」
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。
http://www.bk1.co.jp/product/2056682
心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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