きよと清太と、そして白駒


きよと清太と、そして白駒33


空には、まんまるの月がでています。
星もきらきら輝いています。
用意してきたちょうちんも必要ない
ほどの明るさでした。
二人は、白駒の背にのり、家にいそ
ぎました。


「とうちゃん。ただいま」
「ただいまもどりました。おそくなっ
てもうしわけありません」
「おかえり。遅いからどうしたのかと
心配していたのだよ」
長者が、ほっとした顔でいいました。



「とうちゃん。ゆうすげの花って、き
れいな花ね。私、ゆうすげの花が咲く
のを、時間がたつのもわすれてみてい
たの。おそくなってごめんなさい」
「無事に帰ってくれば、それでいいの
だよ。清太、遅くまでごくろうさま。
ふろに入って、早くおやすみ」
長者が、清太に声をかけました。


つづく