笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ10


「私たちは、これからどうなるのだろう。
いつまで、こんな所にいるのだろうか」
「なにかに利用してくれると、うれしいの
だが・・・」
「人間たちは、森の木を一本残らず切って
しまった。
山くずれなどの災害がおきなければよいが
のぅ」



「山が丸裸になれば、ふもとの村に住んで
いる人間たちは、おいしい水を飲むことも
できなくなるだろう。
海や川にすんでいる魚や貝たちもこまるだ
ろうね」



「森の動物たちは、これからどこで暮らす
のだろうか。森の仲間たちのことが心配だ
ね」
切りたおされたたくさんの木は、口々にな
げき悲しみました。


       つづく



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、スキー
大会の会場をつくるためにきりたおされた、
信州志賀高原の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に収録されています。









おとうさんからもらった誕生日のプレゼン
ト、ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘め
られていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
風の神様から聞いた3つのお話を収録。




http://www.bk1.jp/product/02719469