黄金色のまゆ玉17
空には、星が美しく輝いています。
「明神よ、いつまで奥さんとはなれてくら
すつもりじゃ。
一日も早く奥さんと仲なおりしたまえ」
どこからか声が聞こえてきました。
「そうじゃのぅ。一日も早く妻に戻ってき
てもらわなくてはのぅ」
明神さまは、心の中でそっとつぶやくので
した。
あれから、何千年もの月日が流れました。
明神さまは、今も湖の向こう側に住んでい
る奥さんのところへ通っています。
冬になると、明神さまは湖の氷の上を通り、
奥さんのところへ行きます。
諏訪の人々は、明神さまのかよう道を、
「おみわたり」とよぶようになりました。
おわり
信州の諏訪地方には、「おみわたり」とい
う伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、「おみわたり」の
伝説をヒントにして、みほようこが書いた
物語。