火とぼし山


信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。


「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。



     「火とぼし山」より


「きよ」
「なぜ、うずにはまったのじゃ」
明神さまは、心の中できよに話し
かけました。



すると、
「次郎さんが・・・」
「次郎がどうした」
「次郎さんがたいてくれた火が」
「きよ。火がどうしたのじゃ」
「火が南にともっていたの」



「何、火が南にともっていたと。
きよ、それは、ほんとか」
「はい。火が、いつもより南にとも
っていました。泳ぐ方向を変えよう
と思ったとたん、うずにまきこまれ
てしまいました」



「そうか。やっぱりそうだったのか」
「やっぱりって、どういうこと」
「次郎は、わざと別の場所で火をた
いたのじゃ」
「わざと?」
「そう。次郎は、いつもとちがう場
所で、火をたいたのじゃ」



   火とぼし山1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080315#p1



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