白駒の池物語50
「私、清太さんのために、心をこ
めてにぎったのよ」
「だから、おいしいんだね。
おれ、白米のおにぎりなんて、初
めて食べた」
「わが家でも、特別な日しか、白米
のごはんは食べないわ。
普通の日は、麦やあわ・さつまいも・
豆などが入っているごはんを、食べ
ている」
「どの家でもそうだね。
おらの家は貧乏だったから、あわや
さつまいもの中に、ほんの少し米が
入ったご飯だったよ。
でも、とうちゃんやかあちゃんと一
緒に食べたご飯は、うまかったな」
清太は、母が作ってくれた料理を
思い出しながらいいました。
二人は、たわいない話をしながら、
むすびを食べました。
幸せなひとときでした。
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日の分は、こちら。
白駒の池物語49
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080924#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
「次の日」「次の日」と押せば、
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「白駒の池」の写真