井戸で鳴く黄金色のにわとり5
「おとうさま、ごめんなさい。
私、あの淵が大好きなの。
だから、これからも、毎日淵が見
える場所へ行くわ」
姫は、心の中で、おとうさんにあ
やまりました。
そして、その日も、にわとりと一
緒に、淵のみえる場所へ行きました。
「こっこ、おいでー」
にわとりは、「こっこっこ」と鳴き
ながら、姫の後をついてきます。
「私は、歌をよみ、絵を描いている
おとうさまが大好き。
でも、戦に行くおとうさまは、嫌い。
おとうさまたちは、なぜ戦をするの
だろう。
戦国の世だから、敵がせめてくるこ
ともある。
一族の人たちや城下の人々を守るた
めに、戦うのはしかたがない。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100114#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。