井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり6


でも・・・領地を広げるために、
ほかの諸国と戦っている話を聞く
のはつらい。
戦のない平和な世の中は、いつく
るのだろうか」
姫は、淵にむかって、そうつぶや
きました。



父から戦の話を聞くたびに、姫は
心の中でさけびます。
「私は、武将の娘。
でも、私は、戦が大きらい」と。
そして、「一日も早く、みんなが
安心して暮らせる世の中になります
ように」と、姫は祈りました。



大島城も、ここ数年は平和でした。
「姫。これは、おじいさまの絵だよ。
おじいさまに、にているかな」
信廉は、るり姫に絵をみせました。
「おとうさま。この絵、おじいさま
にそっくり」
るり姫のことばを聞き、信廉はうれ
しそうでした。


          つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100115#p1



  初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。