火とぼし山


   火とぼし山86


「気をつけて帰ってくださいね。
明神さまによろしく」
きよは、二人の姿がみえなくなるま
で見送りました。



「今日から、私の新しい生活が始ま
るのね」
きよは、そっとつぶやきました。
「そうじゃ。今日から、きよの新し
い生活が始まるのじゃ。
きよ、元気で暮らせよ」



明神さまの声が、再び聞こえてきま
した。
その声は、あたたかなやさしい声で
した。


             おわり



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100603#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。