火とぼし山


   火とぼし山84


「おばあさんと?」
「そうじゃ。このおばあさんと
一緒に暮らすのじゃ。
この人は、明神さまの友だちじゃ」
「きよ、よろしく」
おばあさんが、にこにこしながら
いいました。



「こちらこそ、よろしく。お世話
になります」
「こんなかわいい人と暮らせるな
んて、私うれしいわ」
おばあさんはうれしそうでした。



「きよ。外へでてみましょう。
静岡は、暖かくて良い所ですよ」
手長がいいました。
外へでると、目の前に富士山が見
えました。
「わぁー、富士山だ」
富士山が好きなきよは、大喜びで
した。


           つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100601#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。