ふしぎな鈴


   ふしぎな鈴50


かなは心配になりました。
「あっ、たいへん!」
かなが大声でさけんだ時、お月
さまの耳のあたりに、金星がぴ
たっとつきました。



「わぁー、お月さまの耳かざり
みたい。すてきだわ。
私もあんな耳かざりがほしいなぁ」
すると、どこからか声が聞こえて
きました。



「かな、この星の耳かざりをあげ
よう。この耳かざりをつけるとね、
どんな願い事でもかなうのだよ。
ただし一回きりだけれどね」 
その声は、どこかで聞いたことが
あるような、なつかしい声でした。



「誰だろう?」
あたりをみまわしましたが、誰も
いません。


           つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100801#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。