守屋山に黄金色の花が咲いた

 
 守屋山に黄金色の花が咲いた 13


「兄ちゃんはきっとよくなる。 兄
ちゃんはきっと優しい人になれる」
少女は何年ぶりかの兄の笑顔をみ
てそう思いました。
重かった少女の心は、兄の笑顔を
みて、少し軽くなりました。



それから四百年がたちました。
雪がとける頃、守屋山のふもとの
村では、たくさんの黄金色の花が
咲きます。
心の優しい少女が咲かせた黄金色
の花が、今では何万本にも増え、み
ごとに咲いています。


       つづく