福寿草になった少女


   福寿草になった少女 6


「だんなさま、門の所に赤ちゃんが・・・
赤ちゃんが捨てられています」
「何?赤ちゃんが捨てられていると・・・」
「はい、赤ちゃんが捨てられてい
ます」
長者と妻は、門の方へ走って行き
ました。



門のそばには、桃色の布で包まれた
赤ちゃんが、捨てられていました。
白い産着をきた、生後一ヶ月くらい
の女の子でした。
「この子のこと、どうかよろしくお
願いします」
そう書かれた手紙と守り袋が、女の
子のそばに置いてありました。


        つづく