竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 21


その後。
くらもちの皇子は、「これ以上の
恥はない。かぐや姫と結婚できな
かったばかりか、世間の人がどう
思うだろうかと考えると、はずか
しく思い、深い山の中へ入ってし
まいました。



皇子の執事や仕えている人たちが、
みんなで手分けをして探したが、
皇子をみつけることはできません
でした。
皇子は、自分がしたことが恥ずか
しくて、みずから姿を隠したので
しょうか。
その後、何年かたってから、ひょ
つこり帰ってきたのでしょうか。



この玉の枝事件をきっかけに、「た
まさかに」ということばがつかわれ
るようになりました。


         つづく