井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 12


「いよいよ、次はわが城か」
信廉は、小声でつぶやきました。
「城代さま。大変でございます」
天守閣でみはりをしていた人が、
信廉の部屋へとびこんできました。



「なにごとじゃ」
「遠くに、織田の軍旗がみえます。
驚くほどたくさんの軍勢です」
「なに? 織田軍が、近くまできて
いると。早く、みんなに知らせろ」
信廉が、みはりの人にいいました。



「みなのもの、戦が始まるぞー。
三河の織田との戦じゃ」
信廉が、大声でさけびました。


        つづく