井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 29


うすれゆく意識の中で、姫は思
いました。
「戦のない平和な世の中は、い
つくるのだろう。一日も早く、み
んなが安心して暮らせる平和な
世の中になりますように」と。



次の朝。
「るり姫は、無事か」
「それが・・・」
「姫は、どうしたのじゃ」
「姫さまは・・・」
「はっきりいえ」



「姫さまは、井戸に身をなげた
そうです」
「なに? 姫が、井戸に身をな
げたと」
「はい」
「なぜだ」



       つづく