2017-12-29 開善寺の早梅の精 童話 開善寺の早梅の精 11 「まあ・・・こっそりぬけだしてき たのですか。みつかったら大変 でしょうに」 「今ごろ、文次がいないがどうし たと、さわいでいるでしょうな」 「文次さんて、おもしろいかたで すね。さむらいではないみたい」 梅香となのる女の人は、そういっ て笑いました。 「わしは、戦が大きらいじゃ。罪 もない人を傷つけたり、殺したり するのをみていると、ほんとにむ なしくなる。一日も早く、戦のない 世の中になってほしいものじゃ」 つづく