女神さまからのおくりもの


 座禅草が咲いている高原で 7


「さあ、おじょうさま。遅くなると
いけないから、急いで馬小屋
へ行こう」
「清太さん。二人だけの時は、
きよってよんで」
「おらは、この家の使用人だ。
おじょうさまのことを、きよな
んてよびすてにはできない」



「何いっているの。清太さん」
「だって、庄屋のおじょうさま
だもの」
「たしかに、私は庄屋の娘よ。
みんなから、庄屋のおじょうさ
まって、よばれているわ。でも、
私は、おじょうさまということば
が大きらい。清太さんには、き
よってよんでほしいの」


        つづく