竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 115


第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 18


「姫、もう月をみてはいけません。姫の様子を
みると、何か悩んでいるようにみえるが」
「私は、月をみないではいられません」
姫がいいました。


姫は、月が出ると、縁側に座り、ためいきをつ
いています。
月が出ていない時は、物思いにふけっている様
子はありません。
姫は、月が出る時刻になると、時々ためいきを
つき、泣いています。
「まだ姫さまは、悩み事があるようです」
仕えている人たちは心配しました。
でも姫が何を悩んでいるのか、誰もわかりません。


        つづく