竹取物語

[童話]竹取物語


   竹取物語 114


第八章 帝のお召しに応じないかぐや姫 17


「姫。月をみて、物思いにふけっているようだが、
何か悩み事があるのかね」
おじいさんが、聞きました。
「月をみると、心細くしみじみした気持になりま
すが、何も悩み事はありません」と。


しばらくして、またおじいさんが姫の様子を見に
行くと、まだ物思いにふけっているようでした。
「大切な姫よ、何を思い悩んでいるのかね。悩み
事は何かな」
「悩み事は、何もありません。ただ、月を見ると、
何となく心細くなるだけです」


        つづく