竹取物語 131
第九章 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 12
かぐや姫は、泣き伏しているおじいさんの
そばに寄り「心ならずも、月へ帰らなくて
はなりません。じい、私が月へ帰るのを見
送ってください」といいました。
「なぜ見送りをしなくてはならないのだ。
悲しくて、見送りなどできない。なぜじい
を捨てて、月へ帰ってしまうのか。じいも
一緒に連れていっておくれ」
おじいさんが泣いている姿をみて、かぐや
姫はとほうにくれました。
「じい、手紙を書いて、お別れします。私
を思い出した時には、手紙を読んでくださ
いね」といって、姫は泣きながら、おじい
さんに手紙を書きました。
つづく